「マリヴロン楽隊」
Malibran-Gakutai
〜賢治が残したものは何だろう〜
2014年9月21日、宮沢賢治の命日。
岩手県花巻の宮沢賢治記念館において、
『言葉の先の風景』と題する、トークと和洋楽による
コンサートが行われ、そこで「マリヴロン楽隊」は誕生した。
楽隊名は、賢治の作品『マリヴロンと少女』から名付けられる。
自由という概念が歪められていく瀬戸際。
自然への畏怖や敬い。
無常感や不条理を突きつける命の終焉。
人知や科学の未熟さと期待。
常にそれらを意識し、自らの思想の岩を残そうとした賢治。
東日本大震災からの月日を想う。
宮沢賢治の心の風景を、たずねることにした。
マリヴロン楽隊演目
宮沢賢治の童話や詩の朗読と、
賢治の世界に流れる風や光を現した佐藤の音楽。
楽隊の演目は、その二つから織り成されます。
これまで取り上げたのは、下記作品です。
<童話>
「マリヴロンと少女」「セロ弾きのゴーシュ」
「どんぐりと山猫」「よだかの星」
<詩>
「告別」「噴火湾 ノクターン」「生徒諸君に寄せる」
「たけにぐさ(病床)」「眼にて云ふ」
「丁丁丁丁丁」「風がおもてで呼んでゐる」
どの作品からも届く“祈り”があります。
愛妹の死を見つめ、天災に苦しむ故郷の姿を見つめた青年が、
愛弟子や生徒たち、名も無い誰かに…
あなたに残した言葉と光を、お届けします。
楽隊員とこれまでの活動
【作曲・指揮・構成】 若い頃より、宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」の”序詞”から、創作・芸術に対する深い影響を受けてきた。震災を経て、賢治作品の楽曲化と楽隊編成に踏み込むことを決意。 * マリヴロン楽隊を主宰する宮城在住の作曲家。 物語性の高い和太鼓・邦楽アンサンブル曲を創作。 石巻市立雄勝小学校・中学校校歌作詞・作曲。 ジョン・ケアード氏演出(あしなが育英会・NYヴァッサー大学主催)の「世界がわがや」における邦楽・合唱曲・日本チーム演目の脚本を手がける。
【朗読・監修】 深い作品理解とその人への愛情から生まれる牛崎氏の朗読は、賢治そのものを感じさせる卓越の域である。難解と取られてきた賢治文学が、まるで親しい師から語られる言葉のごとく響く。 * 昭和28年花巻市生まれ。岩手大学卒。現在、宮沢賢治記念館学芸員(元副館長)。 国民文化祭岩手児童演劇脚本賞(平成5年)等受賞。岩手県芸術祭県民文芸賞(文芸評論)選者、全国高校生童話大賞選者。 昭和29年より「劇団らあす」を主宰。<らあす>は「羅須地人協会」にあやかって命名。岩手芸術選奨、イーハトーヴ奨励賞等受賞。 主な論文に「宮澤賢治「ばだらの神楽」考」(『宮澤賢治の深層』、宝蔵館、平成24年)ほか。
【和太鼓・鳴り物】 マリヴロン楽隊唯一の和太鼓パート。刻みや地打ちなど、いわゆるベースリズムとしては登場しないマリヴロン楽隊の独特な和太鼓旋律を、あらゆる奏法と感性で奏で、作品の背後にたゆたう賢治の”宇宙”を浮かびあがらせる。 * 和太鼓表現を佐藤三昭に師事。3D-FACORY所属。雄勝中学校復興輪太鼓、AKB48、GLAY・TERUへの太鼓指導などを務める他、杉本彩、GLAY、浅野翔、AUN Jクラシックオーケストラとの国内外公演に参加。2017年からは自身の表現ユニット「RAUMI BAND」を結成。
【篠笛】 「音はなくていい。風にうっすら旋律がついていればいい」…作曲者から伝えられる多様な期待に応え、風に色を乗せる。童話に登場する風景音も担う。 * 宮城を拠点に篠笛の演奏・指導を行う。幼少期から和楽器に触れ、和太鼓音楽を佐藤三昭氏に師事。2018年3月まで邦楽バンド『閃雷(せんらい)』に所属し、国内外での演奏の他、数々の著名なアーティストとの共演、CDレコーディング、ゲーム音楽・映画音楽への参加など、多方面で活躍。現在は仙台の笛師『音吉』氏の下で篠笛製作を学び、奏者、指導者、そして職人という立場から篠笛文化の継承に取り組んでいる。
【チェロ】 もっとも激しい感情が描写される「疾中」楽曲ではソロを担う。童話「セロ弾きのゴーシュ」があるように、賢治自身もチェロを愛し、奏でた。その訳を垣間見ることができる。 * 8歳でピアノ、16歳でマンドリンを、19歳より東京学芸大学管弦楽団でチェロを始める。長沢正孝氏、山本純氏の指導を受け、オーケストラ以外に弦楽四重奏やチェロアンサンブル等でも研鑽を積む。 現在、仙台ニューフィルハーモニーに所属。宮城県内外のオーケストラへの賛助出演を含め幅広く活動している。
【コントラバス】 M's Japan Orchestra・閃雷サポートメンバーとしての演奏参加を通じ、信頼を得る。 * 5歳からヴァイオリンを始める。11歳で中新田バッハホールコンクール本選にて若アユ賞を受賞。高校入学と同時に吹奏楽に出会い、コントラバスを始める。大学ではバンド活動を経験。ベーシスト・ヴァイオリニストとして、震災復興関連イベントでの演奏をはじめ、アーティストの演奏サポート、音源制作、講師等、幅広く活動中。現味、コッケイジャパン代表、そしてArtist House & Cafe ViBAR の店長として、東京押上を拠点に活動している。
【篠笛】 「噴火湾ノクターン」にも描かれた北海道の駒ケ岳、その山麓の町から参加。 * 2005年から6年間3D-FACTORYに所属。佐藤三昭の2番弟子として創作表現を学ぶ。 北海道に帰郷後、童話の創作活動を行う。また、佐藤の楽曲提供を受け、和太鼓朗読劇の企画・演出・脚本を担う。2017年「石川啄木物語-君に与ふウタ-」2016年・2018年「Ryo-リオ-男爵いもの父・川田龍吉外伝」。 2017年、女声合唱と和楽器による楽隊「和聲アンサンブル・リオ」を結成。単独公演『龍と賢治の1923』において「噴火湾ノクターン」を函館で上演。
学生時代を東北の風土の中ですごしたため、故郷と認識している。ケアマネージャーの顔を持ち、人の命の最後の輝きと向き合う中で、佐藤の音楽物語の世界に携わり続けている。2023年4月よりマリヴロン楽隊参加。
2014年の初演コンサート、CDレコーディングは、チェロ奏者の「三浦祥子」さんを迎えました。
2018年の大崎市公演は、
北海道七飯町の声楽アンサンブル
「和聲アンサンブル・リオ」の皆さんを迎え『噴火湾(ノクターン)-天の楽音』を演奏しました。
2020年以降は、小編成スタイルへ。音楽劇の学校公演や児童館公演などこどもたちへのお届けにも力を入れています。
言葉の先の風景
トークと和洋楽コンサート
日:2014年9月21日
於:宮澤賢治記念館
初演曲:「一つの世界」〜マリヴロンと少女
「光のパイプオルガン」〜告別
言葉の先の風景
朗読と邦洋楽による賢治の世界
日:2016年3月6日
於:イーハトーブ館
初演曲:「颯爽たる風」〜生徒諸君に寄せる
言葉の先の風景 心象詠奏・参
宮沢賢治の世界〜賢治ノ手記ノ中へ〜
日:2017年2月18日
於:Artist House & Cafe ViBAR
初演曲:「天の楽音」〜噴火湾ノクターン
大崎市図書館開館1周年記念事業
「マリヴロン楽隊」公演
〜賢治が残したものはなんだろう〜
日:2018年10月28日
於:大崎市図書館 多目的ホール
初演曲:「疾中 -1- ~たけにぐさ~ 」
「疾中 -2- ~眼にて云ふ~ 」
「疾中 -3- ~風がおもてで呼んでゐる~」
大崎市立古川中学校公演
日:2018年10月28日
朗読音楽船「セロ弾きのゴーシュ」
芸術鑑賞教室
日:2020年10月〜11月
於:美里町内小学校5公演、小牛田高等学園1公演
以降、「どんぐりと山猫」「よだかの星」の音楽劇公演を、東北・北海道の学校・児童館・寺院やブンカホール等で実施。
CD『言葉の先の風景』
¥2,000-(税込)
<収録曲>
01. 一つの世界-マリヴロンと少女-
02. 颯爽たる風-生徒諸君に寄せる-
03. 光のパイプオルガン-告別-
作曲・指揮:佐藤三昭
朗読:牛崎敏哉
和太鼓:三浦公規
篠笛:石田陽介
コントラバス:皆川峻哉
チェロ:熊谷裕史、三浦祥子
IT-160201
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